「純粋に、笑える系」「耳に痛い系」のエッセイ集。昔から痛快な毒舌が冴える群ようこであるが、ますます磨きがかかっていてファンとしては何よりである。
変わったかな?と感じたのは、今時の若者は…調が目立つ点である。もしかしたら、大多数の年齢層というより、著者と同年代の女性の方が、うんうん、と共感しながら読めるのかもしれないと、何だかちょっとばかり遠い存在に感じたのが残念だ。年配になるほど、自分より若い世代に対して色々いいたくなる嫌いが群ようこにも!
自虐的な話も、周囲の事にも容赦ない毒舌で、ドクダミのようなエッセイです。地味でどこにでもみかけ、体内に取り入れれば薬効がある。人によって好き嫌いがわかれ、嫌いな人からすれば疎ましい。けれど好きな人からすれば長年にわたって重宝される。勿論、私も重宝している。
この本を読み終えた瞬間から群ようこを愛着を込めて『文壇のドクダミ草』とひそかに呼ばせて頂くことにした。まあ同年代なのでいいだろう。
特に、「男の意気地」が面白かった。面白すぎて、笑いが止まらなかった。群さんの本は、本当に痛快だ。この本も、例にもれず、読後に爽快感のある作品だ。軽く読めるので、まだ読んでいない方にオススメしたい一冊だ。
これがドクダミである。誰もが見たことがある、名前と違って清楚で可憐な花が咲く、道端の何処でも見かける草花なのである。実は私は以前、丸30年間 薬屋に勤めていたのでドクダミには詳しい。
漢方名を「十薬(じゅうやく)」という。
排便を促す緩下作用や、余分な水分を排泄する利尿作用がある成分を含んでいるので、体内の老廃物除去作用がある。他に動脈硬化、高血圧、冷え性など、まさに十種類に効く薬ということで「十薬」と名づけられたんだそうな。