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食欲の秋、読書の秋、日本酒が美味しい秋。そんな今日は、気のおけない仲間たちとの飲み会が福島である。いつものように5時50分にJR環状線福島駅に降り立った。 10月は夜の帳が早く降りる。昼間はそこそこ暖かいが、朝晩はめっきり冷え込んできた。 今日はダイヤの乱れで、このような橙色の電車に乗ってきたのである。 6時2分前にダイビング仲間の和ちゃんと合流し、福島聖天通りを西に歩くこと約8分で、福島の隠れた居酒屋の名店「酒蔵鍋」に到着。 生ビールが7時まで280円と安くなっている。(それ以降は400円) 福島で日本酒が一番安い店か、なるほど。 なにせ酒のアテがすこぶる多いお店なのである、ここは。目移りしてなかなか決まらないちゅうーこともしばしば。 お店のキレイなおねえさんが、「もう一人(鶴ちゃんのこと)来られてからにします?」 「いやいや、そんな1時間も待ってられへん。早よビール2個持ってきて!」私と和ちゃんが異口同音におねえさんに返した。 ビアジョッキがキンキンに凍った状態のアサヒスーパードライ生中280円で、 お疲れサマーズ大竹、カンパーイ、ガチガチ、グビグビ,プッハー、う、うまあーい! 「いやー、美味しい、やっぱり生ビールやね」と、根っからの呑兵衛のようにいみじくも語った。 ビールの最初のアテはおでん。厚揚げ×2、大根、こんにゃく、ごぼ天各100円。 私も和ちゃんも厚揚げが大好物なのである。 「厚揚げは毎日食べても飽きひんよね」と、からしを付ける私。 「そうそう、私も厚揚げが死ぬほど好き」と、和ちゃん。 おでんに刻みねぎ、とろろ昆布が添えられているのがなんとも嬉しい。なにか高級感を感じる。 お次はここの名物、カキフライ4粒720円。 タルタルソースをたっぷりとつけて いただく。めっちゃ、う、うまあーい! 「和ちゃん、カキフライは熱々のうちに食べんと、早よ」促す私。 おかわりを発注して 乾杯しようとしていたら、前の会社の後輩で山登り仲間の鶴ちゃんが約40分遅れで到着。 「ビール280円間に合ったやん。おねえさーん、ビール一丁」叫ぶ和ちゃん。 お疲れサマーズ三村、カンパーイ、ガチガチガチ、グビグビグビ,プッハー、う、うまあーい! 「あれ、お二人さんまだ2杯目なんですか。いつももっと飲んだはるのに」鶴ちゃんが不思議がる。 「ずーっと喋っててん。だからまだ2杯目」笑う和ちゃん。 私の発注した、カレーポテサラ350円。 生まれて初めていただくカレー味のポテサラ。上にアラレが乗って食感が複雑ではあるが、う、うまあーい! 「僕も発注していいですか?」と、鶴ちゃん発注のおでん。厚揚げと大根に ミミガーマヨポン炒め300円と 鶏の唐揚げプレーン380円の3品。 和ちゃんも負けじと発注。ぶりカマ480円と ワカサギの唐揚げ300円、 アボカドのオーブン焼き400円の3品。 「そろそろ日本酒いっていいですか」やんわりした口調でニコニコ顔の鶴ちゃんがお伺いを立て、発注した獺祭・初心90ml、500円。 獺祭の蔵元、山口県岩国市にある旭酒造のお酒。 その旭酒造は「獺祭に使うのは山田錦のみ」とのこだわりがある。だから「獺祭初心」も当初は「純米大吟醸」の冠が付くハズだった。 しかし今年2月中旬に、仕込みの際のDNA検査で酒米の約20%にコシヒカリが混入していたことが判明した。その状況で製造された日本酒は一升瓶で約1万4千本ほど。 そのため旭酒造では「純米大吟醸」の表示を外し、価格を下げて「獺祭初心」の名で限定販売に至ったわけである。 それにしても90ml500円は原価を割って販売しているとしか考えられない。 だって「獺祭初心」1.8Lの価格は14700円。これを90mlで割ると735円になるからである。 ちょっとシェアしてもらう。カプ系の香りがして、ほの甘く、それでいてよーく回るお酒である。 「限定販売やから、もうないんかと思とったな」グラスを鶴ちゃんに返す私。 「いやいや、ラッキーですよ。獺祭が500円なんて信じられません。いやー、今日来て良かった」と、興奮気味にまた獺祭を一口入れる鶴ちゃん。 続いて、和ちゃん発注の梵(ぼん)・艶(つや)90ml、440円。 福井県鯖江市の創業1860年、加藤吉平商店の純米大吟醸酒。 穏やかで香り高く、粋な日本女性(和ちゃん)のようなお酒。 氷温熟成なので柔らかく穏やか。落ち着いた吟醸香も非常に上品である。 私の発注した、越乃寒梅90ml、450円、純米吟醸酒。 越乃寒梅の醸造元は、新潟市江南区北山にある1907年創業の石本酒造。 飲み口は「淡麗辛口」の典型的な新潟県の日本酒の味であり、さらりとして飲み口は軽い。 ほのかな吟醸香と、コクのある味わいが特徴。香りと味の調和がとれた、やわらかな飲み口のお酒である。冷えたのを飲むと、さわやかな香りが一層引き立つ。 美味しい日本酒で、カンパーイ、ガチガチガチ、グビグビグビ,プッハー、う、うまあーい! 鶴ちゃんの2杯目は、羽根屋90ml、350円。大正5年創業の富山県富山市の富美菊酒造のお酒。 五百万石50%精米の純米吟醸のひやおろし。 香りは穏やかで口に含むと味がきれいに広がり、さわやかな酸味と透明感のあるお酒であるが、山田錦よりはフラットな感じがしないでもない。でも質の高い酒だと思う。 和ちゃんの2杯目は、四季咲・菊花開(きくかかい)90ml、400円、長龍のお酒で、純米吟醸無濾過生原酒。 長龍酒造株式会社(ちょうりょうしゅぞう)は奈良県北葛城郡広陵町に本社を置く日本酒醸造元である。1963年創業。創業から今日まで、清酒「長龍」を製造している。 こやつは非常にフルーティさとフレッシュさが際立った印象のお酒。 呑んだ後のメロンのような香りが清々しいです。 鶴ちゃんと和ちゃん、仲良くカンパーイ、ガチガチ、グビグビ,プッハー、う、うまあーい! 「誰が一体、私をかくも日本酒好きにしたのれすか?」鶴ちゃん、呂律が回っていない。 「ええ?知らんで。M本さんとちゃう」私と和ちゃんが手のひらでノーノーをする。 「お二人さんじゃないれすか。でも僕嬉しいっす」にわか日本酒マニアの鶴ちゃん、感極まる。 一人時間差で私が発注した、一人娘90ml,340円、淡麗辛口純米仕込み。 茨城県常陸市の1805年創業、山中酒造のお酒。 淡麗辛口で一切添加物の無い純米仕込み。米の香りナッツの香りが印象的。そこそこの甘みと、上質なアルコールが押してくる。酒質全体はドライだが、しっかりと旨みを感じさせてくれる酒。 鶴ちゃん3杯目は、風の森90ml、260円。 奈良県御所市にある油長(ゆちょう)酒造のお酒。創業は享保4年(1719)。 さて、実際に飲んでみると、想像していたよりもずっと旨味がしっかりあってキレもとても良い。風の森らしいシュワシュワ感とそれは爽やかな旨味が口中で拡散するように広がる。 和ちゃんの3杯目は、美丈夫90ml、300円、純米吟醸酒。 高知県安芸の有限会社濱川商店の酒。 吟醸造りしたスッキリ滑らかで飲みやすいお酒である。雑味が少なく上品な旨味と香りがたまらない。 またまた、カンパーイ、イェーイ、ガチガチガチ、グビグビグビ、プッハー、う、うまあーい! このあたりから鶴ちゃんが壊れてくる。なぜなら目がすわって来ている。 会話も、中華人民共和国のバブル崩壊が今後日本に悪影響を及ぼすだろう。いや、だろうじゃなく、はっきりと及ぼす、断言する、みたいな自己中話。 適当に相槌を打って、「そろそろやな(帰ろか)」と和ちゃんの顔を伺う。 ところが「ちゅらおっさん、ハイボールいったら?」と和ちゃん、テンションあげあげ。 日本酒は2杯で切り上げ、ハイボール400円を発注。 イエーイ、イエーイ、カンパーイ。 和ちゃん発注の、ゴムそば500円。 揚げ玉が入っているから、なんか変な食感がする。 鶴ちゃん、これ以上飲んだら命に関わるという事でお水。私と和ちゃんはビールで、 イエーイ、カンパーイ、ガチガチガチ、グビグビグビ,プッハー、う、うまあーい! これも和ちゃん発注の、イカの塩辛バター炒め350円。 「なんかアヒージョみたいな感じですわ」感想を述べる私。 「さあ、このへんでお開きにしましょうかね」 「いやー、日本酒に飲まれてしまいましたよ」 「楽しかった。また行きましょう。呼んでくださいね」 空のジョッキで乾杯をするオカシな3人であった。 住所 大阪市福島区鷺洲2-12-32 電話 06-6346-2940 営業時間 17:00~23:30 月曜、第2日曜休 P無 地図 以前の記事 その1 以前の記事 その2 以前の記事 その3 以前の記事 その4 以前の記事 その5 以前の記事 その6 以前の記事 その7 以前の記事 その8 以前の記事 その9 以前の記事 その10 以前の記事 その11 以前の記事 その12
by nozawahitoshi
| 2015-10-11 08:22
| 居酒屋
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Comments(8)
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かずこ
at 2015-10-11 16:37
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今回も楽しかったですね‼︎
酒呑みにはたまらないお店です。
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山田
at 2015-10-11 17:07
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芭蕉布
at 2015-10-11 23:00
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こんどは石垣島ですね。
来年は是非ダイビング、ご一緒したいですね。
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つる
at 2015-10-12 00:11
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楽しすぎてあっというまでしたね!
からジョッキで乾杯?覚えてません!
和子さん、いつものペースでお酒をやってましたね。
最後らへんはちょっと危なっかしかったですけど。 私は日本酒2杯に抑えて正解でした。 あれ以上飲むと多分記憶が飛ぶと思います。 「酒蔵鍋」はたまらんですな!!
山田はん、毎度だす。最近どうでっか?
女性専用車両の隣の車両に乗りましたんやけど・・。 獺祭・初心はまさに幻のお酒と言っても過言ではありません。 それが酒蔵鍋で、しかも500円で飲めるんですからね。 山田はん、急いで行ってください! そして、感想をぜひ私に聞かせてください。
芭蕉布さん、お久しぶりです。コメントあざあーす。
酒飲みのA木さんと石垣島の居酒屋を荒らしてきます(笑)。 来年は是非是非、ご一緒したいものです。 そして、沖縄民謡について語り合いたいと思ってます。 三線、持ってきてくださいね。 「二見情話」「鳩間節」を今から練習しときます。
鶴様、べろんべろんでしたよ。
まあ、お酒は酔うために飲むものですから・・。 それにしても、あの酒量であんだけヘビーに酔えるとはね。 冷の日本酒3杯、それも私よりスピードが早いときてる。 もう少しちびちびと時間をかけて飲んだらええと思います。 ゆっくり食べて、喋って、飲んで、楽しい時間を共有しましょう。
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