6年前の4月に沖縄へ家族と初めて訪れ、瀬良垣で体験ダイビングをしてからこの世界を知り、同6月沖縄の本部のファイブオーシャンでCカード講習、同7月初ファンダイブ。それからサイパン、西表島、慶良間、石垣島、越前、宮古島と様々なスポットを潜って来た。海に潜ると、ふわっと体が宙に浮いたようになり、心地よい快感が全身を貫く。
タンクのエアだけが頼りだが、一呼吸するたびに体のあらゆる器官の働きを実感し、緊張感が湧いてくる。
時には、いつの間にか自分自身が宇宙飛行士になり、はてしない宇宙空間を遊泳しているような錯覚を起こすことがある。それは、海の表皮をくぐり抜けると、そこには宇宙と同じような無限の広がりがあり、地上では経験の出来ない無重力の世界を強く体験するからに違いない。
さらに視野を広げてみると、海の生物には人間の想像もつかない造形、色彩、模様の不思議なものがたくさんいるのに驚いてしまう。なぜ、このような形態や色彩が必要なのか、個々の生物について考えれば考えるほどミステリアスで、また、様々な知恵を身につけた巧みな生き方に興味が湧いてくる。
地球の生命は、かつて海から生まれてきたといわれている。われわれの遺伝子には、
海の何らかの記憶が刻まれていて、その結果、海中に身を委ねていると、まるで母の胎内にいた時のような、遠い記憶を呼び戻しているのかもしれない。だから私は海にとりつかれているのだろうか。(写真は宮古島)