JR塚口駅より徒歩20分で伊居太神社に着いた。

以前、隣町散策にもあったが、池田市にも同じ名前の神社がある。ところが呼び名は違うのである。
尼崎市のは「いこた」で、池田市のは「いけだ」なのである。祭神も全く違うのである。

大鳥居は結構古めかしい。鳥居を隅から隅までじっくり観察してると、

やはりあった。「安永七年」とある。1779年で、江戸幕府の将軍は徳川家治というあまり歴史の本に載らない人物である。この年に、杉田玄白らが「解体新書」を刊行している。また有名どころでは、安永八年に「エレキテル」を発明した平賀源内が永眠している。

境内にある「水浄」はきれいな水が竜口から滔々と流れていた。

また、豊かな鎮守の森を有する境内には、規模の大きな前方後円墳(伊居太古墳)がかつてあり、弥生時代以来の集落があったところと見られる。このあたりの豪族、坂合部部連の祖神・「坂合部大彦命」を祭っていたようだ。坂合部氏が支配していたので、この地域を「坂合部」と言ったのが、少しずつ変わってきて今は、「下坂部」という地名になっている。

阪神大震災で拝殿及び本殿が被害にあい、平成11年に立て直されたのでまだきれいである。

本殿横にかかっていた、大正末期の伊居太の森の写真があった。
こうした氏族祖神の墳墓の上に神社を建てる形は他にも見られる。この場所が弥生時代から「特別な場所」であったというのは御神木を見ても大鳥居を見ても肯ける。
住所 兵庫県尼崎市下坂部4-13-26
地図