図書館で借りてきた本を何冊か読んだ。その中でも、ひときわ輝いている本があった。勝間和代さんの本である。 近頃メディアでの露出がとても増えている勝間和代さん。その反面、ちょっと眉をひそめてしまうような著書や発言があってこの人大丈夫なんかなと思っていたが、今回、図書館でこの本を見つけ読了して、久し振りに「目からウロコ」が落ちた。野口嘉則の「鏡の法則」以来ではないだろうか。
アマゾンの書評では悪評もあるが、今回の本はなかなかまともで、良い本を書かれたと思う。内容は前半は他責の人であることがいかに不幸な人生を招くかをコンコンと説き、自責な人間になって(人として成熟して)不幸を回避しながら生きようと促している。後半は幸福な人と不幸な人をわける7つのポイントということで、それを裏付ける勝間さんチョイスの法則の詳細を紹介している。(1.有責の法則 2.双曲の法則 3.分散の法則 4.応報の法則 5.稼働の法則 6.内発の法則 7.利他の法則)
厳密には人間である以上自分の弱さから他責になったり、正義感から自責になったりで間を揺れ動くのが普通なんだと思う。極力、自責のスタンスでということになるのだが、自責の人であるためには自分をしっかり鍛えないとできないことだし、日本は宗教不在の為、精神的に成熟する機会が社会構造的に少ないという勝間さんの指摘があったが、確かにそういう側面はあると思う。この本は成熟した考え方を持つためのとっかかりを提供してくれるという意味でとても良い本である。ちなみに、私に響いた法則は双曲の法則と稼働の法則。この2つはさっそく実践してみようと思う。
本書の中で勝間さんは自分は人の機微を読むのが苦手とおっしゃっているが、メディアはダイレクトにそういった部分を伝えてしまうから、最近の叩かれ具合を見ていると、他責の人が騒いでいるだけでなく、単純に誤解を招いている部分も多いのかなという印象を持った。とにかく、勝間さんはすごいお人である。